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集客チャネルの費用対効果をどう比較するか

この記事の要点

  • 反響単価でなく成約単価まで遡る
  • 記録は反響日・チャネル・来店・成約の4項目
  • 判断は最低3ヶ月。季節変動を除去する
  • SNSは直接反響だけでは貢献を測れない
  • 費用には対応の人件費も概算で含める

本記事は、集客チャネルごとの費用対効果をどう比較するかを解説する記事です。集客チャネル全体の考え方は別記事「不動産の反響を増やす集客チャネル比較」で扱っています。

反響単価で比較すると何が起きるか?

質の低い反響が多いチャネルが、有利に見えてしまう。

反響単価は「費用 ÷ 反響数」で計算される。この数字だけで比較すると、来店にも成約にもつながらない反響を大量に生むチャネルが「安い」と評価される。

実際に見るべきは、そのチャネル経由の反響が何件来店し、何件成約したかである。反響単価は入口の指標であって、判断の指標ではない。

今日の1アクション:直近3ヶ月の成約について、最初の接点がどのチャネルだったかを数えてみる。

何を計算すればいいか?

成約単価、つまり「費用 ÷ 成約数」まで遡る。

指標

計算

分かること

反響単価

費用 ÷ 反響数

入口の効率

来店率

来店数 ÷ 反響数

反響の質

成約率

成約数 ÷ 来店数

接客の成果

成約単価

費用 ÷ 成約数

チャネルの実力

反響単価が安くても来店率が低ければ、成約単価は高くなる。逆に反響単価が高くても、来店率と成約率が高ければ、結果的に効率が良いこともある。

記録する項目は何か?

反響日、チャネル、来店の有無、成約の有無の4項目で足りる。

項目を増やすと記録が続かない。まずこの4つを、反響1件につき1行で残す。表計算ソフトで十分である。

チャネルの分類は、最初は粗くてよい。

  • ポータルA、ポータルB(媒体ごとに分ける)
  • 自社サイト
  • SNS(Instagram、その他)
  • 紹介・その他

細かく分けすぎると分類の判断に時間がかかり、記録が滞る。運用しながら必要に応じて細分化する。

どのくらいの期間で判断するか?

最低3ヶ月。1ヶ月では母数が足りず、季節変動も除去できない。

不動産の集客には明確な繁閑がある。1〜3月と、それ以外の時期では反響数が大きく違う。1ヶ月の数字だけでチャネルの良し悪しを判断すると、季節要因を実力と誤認することになる。

また、売買仲介の場合は検討期間が長いため、反響から成約までに数ヶ月かかることもある。その場合、成約単価の計算には、より長い期間の観測が必要になる。

SNSはどう評価するか?

直接の反響数ではなく、指名検索や来店時のきっかけを含めて見る。

SNSは、そこから直接問い合わせが来るとは限らない。Instagramを見て店舗を知り、後日ポータル経由で問い合わせる、あるいは店名で検索して来店する、といった経路をたどることがある。

この場合、反響のチャネルは「ポータル」「自社サイト」と記録されるため、SNSの貢献が数字に表れない。

簡易的な把握方法として、来店時に「どこで知ったか」を聞き、記録する運用がある。手間はかかるが、SNSの効果を過小評価しないためには有効である。

今日の1アクション:来店時のヒアリング項目に「どこで当店を知ったか」を追加する。

費用に何を含めるか?

掲載費だけでなく、対応にかかる人件費も概算で含めると実態に近づく。

反響が多くても、1件あたりの対応に時間がかかるチャネルは、見えないコストが発生している。厳密な計算は難しいが、「1件あたり何分かかっているか」を概算で持っておくだけでも判断が変わる。

例えば、反響単価が安くても対応工数が大きいチャネルは、店舗の人数が限られている場合には適さない。数字だけでなく、自社の体制に合っているかも判断材料になる。

よくある失敗と注意点

  • 反響単価だけで比較し、来店・成約まで見ていない
  • 1ヶ月の数字で判断し、季節変動を実力と誤認している
  • 記録項目が多すぎて、記録自体が続かない
  • SNSを直接の反響数だけで評価し、貢献を過小評価している
  • 掲載費のみを費用とし、対応の人件費を考慮していない

まとめ:今日から始める1ステップ

まず取り組むべきは、反響1件につき「反響日・チャネル・来店の有無・成約の有無」の4項目を記録し始めることである。3ヶ月続ければ、感覚ではなく数字でチャネルを比較できるようになる。分析の精度を上げるのは、データが溜まってからで構わない。

よくある質問

反響単価で比較してはいけませんか?

反響単価だけで比較すると、来店にも成約にもつながらない反響を多く生むチャネルが安く見えてしまう。

何を計算すればいいですか?

成約単価、つまり費用÷成約数まで遡る。あわせて来店率と成約率を見ると、どこに問題があるか分かる。

記録する項目は?

反響日、チャネル、来店の有無、成約の有無の4項目で足りる。項目を増やすと記録が続かない。

どのくらいの期間で判断しますか?

最低3ヶ月。不動産には明確な繁閑があるため、1ヶ月では季節要因を実力と誤認する。

この記事を書いた人

四辻 俊昭

Rox株式会社 代表取締役 CEO / CMO

サイバーエージェントグループでWebディレクター・アートディレクターを経験後、2015年に3Minute(後にGREEグループ入り)の創業フェーズへ参画。lute株式会社では広告代理店事業の立ち上げから執行役員 兼 事業部長を務め、SNS・Web動画を中心としたデジタルコミュニケーション施策の企画・設計に従事。動画SaaS企業での新規事業を経て、2021年10月にRox株式会社を設立。

タグ:集客 / 費用対効果 / 分析 / 反響単価 / チャネル比較