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AIで追客メール・DMの文面をつくる方法と、送る前の確認

この記事の要点

  • 顧客の氏名や連絡先はAIに入力しない
  • 条件だけを匿名化して渡す
  • 反響直後・内見後・長期の3つの型を用意する
  • 初回返信は5分以内。速さが主導権を左右する
  • 送信前に物件の募集状況を必ず確認する

本記事は、賃貸・売買仲介の営業担当・集客担当向けです。AI活用全体の流れは「不動産業務でAIを使う方法」で解説しています。本記事はそのうち、追客メール・DMの文面作成を扱います。

AIに顧客情報を渡してはいけない理由

入力したデータの扱いは利用するサービスによって異なり、外部に出る可能性を否定できないためです。顧客から預かった個人情報を、事業者の管理外に置くことになります。

渡し方の切り分け

渡してよい

渡してはいけない

20代・単身などの属性

氏名

予算8万円台などの条件

電話番号・メールアドレス

◯◯線沿線などの希望エリア

勤務先・年収

入居希望時期

SNSアカウント名

条件だけを匿名化して渡せば、文面の質は十分に確保できます。氏名は生成された文面に後から差し込んでください。

個人情報の取り扱いについては、個人情報の保護に関する法律の観点からも社内ルールの整備が必要です。詳細は情報の取り扱いの記事で解説しています。

今日の1アクション:社内でAIに顧客情報を入力している人がいないか確認してください。

用意すべき3つの型とは?

反響直後・内見後・長期追客の3つです。場面によって伝えるべき内容が異なるため、型を分けたほうが精度が上がります。

① 反響直後(5分以内)

  1. 問い合わせへのお礼と担当者名
  2. 問い合わせのあった物件の募集状況
  3. 確認事項を3つまで(入居希望時期・予算・人数など)
  4. 次のアクション(似た条件の物件も送れる旨、内見の案内)

速さが主導権を左右します。複数社に同時に問い合わせている場合、最初に返信した会社が先行するためです。確認事項を4つ以上並べると返信の負担になり、やり取りが途切れます。

② 内見後(当日中)

  1. 内見のお礼
  2. 見た物件の条件の再確認
  3. 似た条件の物件を2〜3件
  4. 次の内見の提案

③ 長期追客(送る理由があるときだけ)

条件に合う新着物件が出たとき、相場や制度が変わったときなど、相手にとって意味のある内容があるときに送ります。理由のない定期送信は、開封されなくなるだけでなく、印象を損ないます。

今日の1アクション:3つの型のうち、どれが未整備か確認してください。

どう指示すれば使える文面になるのか?

指示には場面・相手の条件・目的・制約を含めます。

指示の例

  • 場面:反響直後の初回返信
  • 相手の条件:20代・単身・予算8万円台・◯◯線沿線・3月入居希望
  • 目的:内見の予約につなげる
  • 制約:300字以内、確認事項は3つまで、誇大表現を使わない、数値は指定した値のみ使う

複数パターンを作らせて選ぶ形も有効です。「3案作って」と指示すると、トーンの違う文面が得られます。

今日の1アクション:反響直後の指示テンプレートを作ってください。

送信前に何を確認すべきか?

案内する物件が募集中かを必ず確認してください。成約済みの物件を案内すると、取引できない物件の紹介になります。

確認項目

  1. 案内する物件が募集中か
  2. 家賃・条件が最新の情報か
  3. 徒歩分数などの数値が資料と一致しているか
  4. 使用してはいけない表現が含まれていないか
  5. 氏名などの差し込みが正しいか

5番目は基本的ですが、AIが作った文面に手動で氏名を差し込む運用では、前の顧客の名前が残るといった事故が起きやすい箇所です。

また、広告宣伝を目的とする電子メールの一斉送信を行う場合は、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律に基づく要件を確認してください。判断に迷う場合は、専門家に確認することをお勧めします。

今日の1アクション:送信前の確認項目をチェックリストにしてください。

よくある失敗と注意点

AIで追客文面を作る際の失敗は、次の5つです。

  1. 顧客の個人情報を入力する:取り扱い上の問題が生じます。条件だけ匿名化して渡します
  2. 成約済み物件を案内する:送信前に募集状況を確認します
  3. 確認事項を並べすぎる:返信の負担でやり取りが途切れます
  4. 理由なく定期送信する:開封されなくなります
  5. 差し込みを確認しない:前の顧客の名前が残る事故が起きます

追客はスピードと内容の適切さで決まります。AIで削減できるのは文面を書く時間であり、送るべきかの判断は人が行います。

まとめ:今日から始める1ステップ

AIによる追客文面の作成は、次の基準で行えます。

  • 顧客の個人情報は入力せず、条件だけ匿名化して渡す
  • 反響直後・内見後・長期追客の3つの型を用意する
  • 初回返信は5分以内、確認事項は3つまで
  • 長期追客は送る理由があるときだけ
  • 送信前に物件の募集状況と数値を確認する

今日の1ステップ:反響直後の返信テンプレートを作り、担当者間で共有してください。速さが最も効く場面です。

よくある質問

顧客の名前をAIに入力してもいいですか?

入力しないでください。氏名、連絡先、勤務先などの個人情報は入力せず、「20代・単身・予算8万円台」のように条件だけを匿名化して渡してください。

AIが作った文面をそのまま送っていいですか?

送信前に物件の募集状況と数値を確認してください。成約済みの物件を案内すると、取引できない物件の紹介になります。文面の調整も含めて人が最終判断します。

追客メールは何通くらい送るべきですか?

回数より、送る理由があるかで判断してください。新着物件の情報、条件に合う物件が出たときなど、相手にとって意味のある内容がある場合に送ります。理由のない定期送信は逆効果です。

一斉送信でも問題ありませんか?

広告宣伝目的の電子メールを送る場合、特定電子メール法により事前の同意や送信者情報の表示などが求められます。一斉送信を行う場合は、同意の取得方法と表示内容を確認してください。

この記事を書いた人

四辻 俊昭

Rox株式会社 代表取締役 CEO / CMO

サイバーエージェントグループでWebディレクター・アートディレクターを経験後、2015年に3Minute(後にGREEグループ入り)の創業フェーズへ参画。lute株式会社では広告代理店事業の立ち上げから執行役員 兼 事業部長を務め、SNS・Web動画を中心としたデジタルコミュニケーション施策の企画・設計に従事。動画SaaS企業での新規事業を経て、2021年10月にRox株式会社を設立。

タグ:AI活用 / 追客 / DM / メール / 営業

出典・参考
個人情報の保護に関する法律/特定電子メールの送信の適正化等に関する法律/宅地建物取引業法 第32条(誇大広告等の禁止)/不動産の表示に関する公正競争規約(不動産公正取引協議会連合会)