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AIで物件紹介文を書く方法|募集図面から下書きをつくる手順

この記事の要点

  • 数値は人が入力し、AIには文章化だけ任せる
  • 指示には読者・目的・制約の3点を明示する
  • 推しポイントは人が選ぶ。AIに選ばせない
  • 注意点を1つ入れると信頼につながる
  • 公開前に数値と表現の2点を確認する

本記事は、賃貸・売買仲介の店舗で物件紹介文の作成に時間がかかっている担当者向けです。AI活用全体の流れは「不動産業務でAIを使う方法」で解説しています。本記事はそのうち、物件紹介文の作成を扱います。

AIに渡す情報は何か?

渡すのは募集図面から人が転記した確定値と、人が選んだ推しポイントです。AIに図面を解釈させるのではなく、整理した情報を文章にしてもらう形にします。

渡す項目

  • 数値:家賃、管理費、間取り、専有面積、築年数、駅徒歩
  • 設備:実際に設置されているもののみ
  • 推しポイント3つ:設備・眺望・収納・立地から人が選ぶ
  • 注意点1つ:デメリットも書くと信頼につながる
  • 掲載先:SNS投稿か、自社サイトの物件詳細か

徒歩分数は、不動産の表示に関する公正競争規約により道路距離80メートルにつき1分として算出し、1分未満の端数は切り上げます。算出済みの値を渡してください。

今日の1アクション:渡す項目のチェックリストをメモに保存してください。

どう指示すれば使える文章になるのか?

指示には読者・目的・制約の3点を明示します。これがないと、汎用的でどの物件にも当てはまる文章が返ってきます。

指示の型

要素

記述例

読者

一人暮らしを探す20代の社会人

目的

DMでの問い合わせを促す

制約

400字以内、誇大表現を使わない、数値は指定した値のみ使う

制約に必ず入れる項目

  • 最上級表現(完全・絶対・No.1・最高など)を使わない
  • 安さを強調する表現(格安・激安・破格など)を使わない
  • 指定していない数値を推測で補わない
  • 周辺施設について、指定していないものを書かない

4番目は特に重要です。AIは「駅前にスーパーがあります」といった記述を、確認せずに書くことがあります。実在しない施設への言及は、誤認を招く表示となるおそれがあります。

今日の1アクション:指示テンプレートを作り、上の制約を組み込んでください。

推しポイントをAIに選ばせてはいけない理由

どの物件も同じ紹介文になるためです。 AIは渡された情報から一般的に評価されやすい要素を選びます。結果として「日当たり良好」「駅近」といった、どこにでもある表現に収束します。

推しポイントは、実際に物件を見た担当者が選ぶことに価値があります。図面には表れない要素、たとえば「共用部の管理状態が良い」「隣接建物との距離があり視線が抜ける」といった観察は、人にしか出せません。

推しポイントの選び方

  1. 設備・眺望・収納・立地の4軸で候補を出す
  2. その物件で最も強い要素を3つに絞る
  3. 比較対象を意識する(同エリアの同条件と比べてどうか)

今日の1アクション:直近に扱った物件の推しポイントを3つ書き出してください。

公開前に何を確認すべきか?

確認するのは数値と表現の2点です。文章の良し悪しより優先してください。

確認の手順

  1. 数値の照合:家賃、管理費、面積、築年数、徒歩分数を募集図面と突き合わせる
  2. 表現の確認:使用してはいけない用語が含まれていないか
  3. 事実の確認:設備や周辺施設に、実在しないものが書かれていないか
  4. 最終判断:公開してよいかを人が決める

使用してはいけない表現の一覧は別記事でまとめています。宅地建物取引士の資格を持つ者が確認する体制にしてください。

個別の表現がどこまで許されるかは事案により判断が分かれます。判断に迷う場合は、宅地建物取引士や所属する公正取引協議会に確認してください。

今日の1アクション:AI生成文の確認担当を決めてください。

よくある失敗と注意点

AIで物件紹介文を作る際の失敗は、次の5つです。

  1. 図面画像を読ませて数値を任せる:誤読に気づけません。人が転記します
  2. 推しポイントを選ばせる:どの物件も同じ文章になります
  3. 文字数を指定しない:冗長になり、そのまま使えません
  4. 周辺施設を書かせる:実在しない施設が混入します
  5. 確認せずに公開する:表示規約に反する表現が残ります

AIで削減できるのは文章を組み立てる時間です。物件を見る時間、情報を確認する時間は減りません。

まとめ:今日から始める1ステップ

AIによる物件紹介文の作成は、次の手順で行えます。

  • 数値は募集図面から人が転記して渡す
  • 推しポイント3つと注意点1つは人が選ぶ
  • 指示には読者・目的・制約を明示する
  • 制約に「最上級表現を使わない」を必ず含める
  • 公開前に数値と表現の2点を確認する

今日の1ステップ:AIに渡す項目のチェックリストを作ってください。毎回同じ形で渡せるようになると、出力の質が安定します。

よくある質問

募集図面の画像をAIに読ませてもいいですか?

読み取り精度に頼らず、数値は人が転記して渡してください。画像から読み取った値をそのまま使うと、誤読に気づけません。公開前の確認も必要です。

AIが書いた紹介文は他社と似ませんか?

同じ指示で作れば似た文章になります。推しポイントを人が選び、その物件固有の情報を渡すことで差が出ます。構成はテンプレート化してよいですが、中身は毎回変えてください。

何文字くらいで作らせるべきですか?

掲載先によって変わります。SNS投稿なら300〜500字、自社サイトの物件詳細なら400〜800字を目安に、指示で明示してください。指定しないと冗長になります。

AIが「駅前にスーパーがあります」と書いた場合は?

必ず事実確認してください。AIは周辺環境を確認せずに書くことがあります。実在しない施設への言及は、誤認を招く表示となるおそれがあります。

この記事を書いた人

四辻 俊昭

Rox株式会社 代表取締役 CEO / CMO

サイバーエージェントグループでWebディレクター・アートディレクターを経験後、2015年に3Minute(後にGREEグループ入り)の創業フェーズへ参画。lute株式会社では広告代理店事業の立ち上げから執行役員 兼 事業部長を務め、SNS・Web動画を中心としたデジタルコミュニケーション施策の企画・設計に従事。動画SaaS企業での新規事業を経て、2021年10月にRox株式会社を設立。

タグ:AI活用 / 物件紹介文 / ライティング / 業務効率化 / 賃貸仲介

出典・参考
不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(不動産公正取引協議会連合会)/宅地建物取引業法 第32条(誇大広告等の禁止)/不当景品類及び不当表示防止法