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SNSツールを乗り換える・解約するときに確認すること

この記事の要点

  • 解約で失われるのは素材・リスト・予約投稿の3つ
  • 契約前にデータを取り出せるか確認する
  • 投稿素材は最初から自社フォルダで管理する
  • 予約中の投稿は解約前に棚卸しする
  • 並行運用期間を1か月設ける

本記事は、賃貸・売買仲介の店舗でSNS運用ツールを使用している、または乗り換えを検討している担当者・店舗責任者向けです。

解約で何が失われるのか?

公開済みの投稿は消えません。失われる可能性があるのは、ツール内に蓄積したデータです。

失われる可能性があるもの

対象

解約後

Instagramに公開済みの投稿

残る

ツール内に保存した投稿素材・下書き

失われる可能性がある

ファンリスト・ユーザーの分類

失われる可能性がある

予約中の投稿

公開されなくなる可能性がある

過去の分析データ

失われる可能性がある

自動返信のテンプレート

失われる可能性がある

特に2番目と3番目は、運用を続けるほど蓄積されるものです。1年使ったツールを解約する場合、それまでに作った素材と、分類したユーザーの情報が対象になります。

今日の1アクション:使用中のツールにエクスポート機能があるか確認してください。

契約前に確認すべきことは?

解約時のことは、契約前に確認するのが原則です。使い始めてから確認しても、そのときには選択肢がありません。

確認する5項目

  1. データをエクスポートできるか:投稿素材、リスト、テンプレート
  2. どの形式で出せるか:CSV、画像の一括ダウンロードなど
  3. 解約後のデータ保持期間:即座に削除されるか、一定期間残るか
  4. アカウント連携の解除方法:Instagram側の連携をどう外すか
  5. 契約期間の縛り:年契約か月契約か、途中解約の条件

5番目は費用面の話ですが、判断の自由度に直結します。年契約で縛られていると、合わないと分かっても切り替えられません。

今日の1アクション:契約中のツールの契約形態(月契約/年契約)を確認してください。

今からできる対策は?

投稿素材を自社の共有フォルダで管理することです。これだけで、解約時のリスクの大半は消えます。

自社で管理すべきもの

  • 撮影した写真・動画:物件ごと、日付ごとにフォルダ分け
  • 投稿文のテンプレート:物件紹介、エリア情報、スタッフ紹介の型
  • ハッシュタグのセット:エリア用、物件タイプ用
  • 自動返信の文面:ツール内だけに置かない

ツール内にしか素材がない状態は、解約の判断そのものを縛ります。「移行が大変だから」という理由で、合わないツールを使い続けることになります。

これは運用の属人化対策とも重なります。担当者のPCにのみ素材がある状態も、同じ理由で避けるべきです。詳細は属人化の記事で解説しています。

今日の1アクション:投稿素材が共有フォルダに保存されているか確認してください。

乗り換えはどう進めるのか?

1か月程度の並行運用期間を設けてください。同時に切り替えると、問題が起きたときに戻れません。

移行の手順

  1. 新ツールを契約し、並行運用を始める:旧ツールは解約しない
  2. 1か月運用して確認する:必要な機能が揃っているか、操作に無理がないか
  3. 旧ツールのデータをエクスポートする:素材、リスト、テンプレート
  4. 予約中の投稿を棚卸しする:新ツールに移すか、手動で投稿するか決める
  5. アカウント連携を解除する:旧ツールとInstagramの連携を外す
  6. 解約する

4番目は見落とされやすい工程です。予約投稿に物件情報が入っている場合、公開日と成約状況の両方を確認してください。移行の混乱で、成約済み物件が公開される事態は避ける必要があります。取引できない物件の掲載は、おとり広告に該当するおそれがあります。

今日の1アクション:予約中の投稿が何件あるか確認してください。

ユーザーリストの移行で注意することは?

顧客情報を含む場合、個人情報の取り扱いに配慮が必要です。

確認すること

  • エクスポートしたデータをどこに保存するか(個人PCに置かない)
  • 移行作業を誰が行うか(アクセス権限を限定する)
  • 移行後、旧ツール側のデータが削除されるか
  • 移行先のサービスのデータの取り扱い

SNS上のユーザー名だけであれば個人情報にあたらない場合もありますが、氏名や連絡先を紐付けて管理している場合は、個人情報の保護に関する法律の観点から取り扱いを確認してください。

判断に迷う場合は、専門家に確認することをお勧めします。

今日の1アクション:ツール内のリストに、氏名や連絡先が含まれているか確認してください。

よくある失敗と注意点

ツールの乗り換え・解約で起きやすい失敗は、次の5つです。

  1. エクスポートせずに解約する:素材とリストが失われます
  2. 同時に切り替える:問題が起きたときに戻れません
  3. 予約中の投稿を棚卸ししない:公開されるはずの投稿が出ない、または成約物件が出る
  4. アカウント連携を解除しない:不要な連携が残ります
  5. 素材をツール内だけで管理していた:移行のコストが高くなり、解約の判断が縛られます

5番目は、契約時点で決まる問題です。どのツールを使う場合でも、素材は自社で管理してください。

まとめ:今日から始める1ステップ

SNSツールの乗り換え・解約は、次の基準で進められます。

  • 公開済みの投稿は消えないが、ツール内の素材・リストは失われる可能性がある
  • 契約前にエクスポートの可否と契約期間を確認する
  • 投稿素材は最初から自社の共有フォルダで管理する
  • 乗り換えは1か月の並行運用期間を設ける
  • 予約中の投稿を解約前に棚卸しする
  • 顧客情報を含むリストは取り扱いに配慮する

今日の1ステップ:投稿素材が自社の共有フォルダに保存されているか確認してください。ツール内にしかない状態は、解約の判断そのものを縛ります。

よくある質問

解約すると投稿は消えますか?

Instagramに公開済みの投稿は消えません。消える可能性があるのは、ツール内に保存した投稿素材、下書き、予約中の投稿、蓄積したユーザーリストです。契約前に取り出せるか確認してください。

ファンリストは移行できますか?

サービスによります。エクスポート機能があれば取り出せますが、移行先で同じ形式で取り込めるとは限りません。加えて、顧客情報を含む場合は個人情報の取り扱いにも配慮が必要です。

予約中の投稿はどうなりますか?

解約すると公開されなくなる可能性があります。特に物件情報を予約している場合、公開されないこと自体は問題ありませんが、公開されると思って準備した投稿が出ない状態になります。解約前に棚卸ししてください。

乗り換えはどのくらい期間を見るべきですか?

1か月程度の並行運用期間を推奨します。新しいツールで運用が回ることを確認してから、旧ツールを解約する順序です。同時に切り替えると、問題が起きたときに戻れません。

この記事を書いた人

四辻 俊昭

Rox株式会社 代表取締役 CEO / CMO

サイバーエージェントグループでWebディレクター・アートディレクターを経験後、2015年に3Minute(後にGREEグループ入り)の創業フェーズへ参画。lute株式会社では広告代理店事業の立ち上げから執行役員 兼 事業部長を務め、SNS・Web動画を中心としたデジタルコミュニケーション施策の企画・設計に従事。動画SaaS企業での新規事業を経て、2021年10月にRox株式会社を設立。

タグ:ツール移行 / 解約 / データ管理 / 業務効率化 / 運用設計

出典・参考
個人情報の保護に関する法律/宅地建物取引業法 第32条(誇大広告等の禁止)/不動産の表示に関する公正競争規約(不動産公正取引協議会連合会)