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AIで不動産の投稿文・台本をつくる方法と、任せてはいけない範囲

この記事の要点
- AIに任せるのは構成と言い回しまで
- 家賃・面積・徒歩分数は必ず人が入力する
- 指示には読者・目的・制約を明示する
- 生成物は必ず表示規約の観点で確認する
- 動画台本は伸びている構成を参照すると精度が上がる
本記事は、賃貸・売買仲介の店舗でSNS投稿の作成に時間がかかっている担当者向けです。自動化全体の流れは「不動産会社のSNS投稿を自動化する方法」で解説しています。本記事はそのうち、AIの使い方と限界を扱います。
AIに任せてよい範囲はどこまでか?
任せてよいのは構成と言い回しまでです。物件の数値と法規制の判断は、人が担保します。
理由は単純で、AIは物件の資料を見ていないためです。もっともらしい数字を書くことはできますが、それが実際の物件と一致している保証はありません。不動産広告の責任は宅地建物取引業者にあるため、この部分を任せることはできません。
線引きの一覧
任せてよい | 人が行う |
|---|---|
文章の構成 | 家賃・面積・徒歩分数の入力 |
言い回しの提案 | 推しポイントの選定 |
ハッシュタグの候補出し | 表示規約への適合確認 |
長さの調整 | 公開の最終判断 |
複数パターンの作成 | 物件の実物との照合 |
特に徒歩分数は注意が必要です。不動産の表示に関する公正競争規約では、道路距離80メートルにつき1分として算出し、1分未満の端数は切り上げます。この計算をAIに任せると、直線距離や概算で出力される可能性があります。
今日の1アクション:現在の投稿作成手順で、数値を誰が入力しているか確認してください。
どう指示すれば精度が上がるのか?
読者・目的・制約の3点を明示します。 「投稿文を作って」だけでは、汎用的で使えない文章が返ってきます。
指示に含める要素
- 読者:誰に向けた投稿か(例「一人暮らしを探す20代向け」)
- 目的:何をしてほしいか(例「DMでの問い合わせを促す」)
- 制約:守るべき条件(例「300字以内、誇大表現を使わない、絵文字は3つまで」)
制約に必ず入れるべき項目
不動産の場合、次の指示を制約に入れておくと、修正の手間が減ります。
- 最上級表現(完全・絶対・No.1・最高など)を使わない
- 安さを強調する表現(格安・激安・破格など)を使わない
- 数値は指定した値のみを使い、推測で補わない
- 将来の環境や利便性を断定しない
それでも生成物には確認が必要です。制約を指示しても、完全に守られる保証はありません。
今日の1アクション:AIへの指示テンプレートを作り、上の制約を組み込んでください。
生成物はどう確認すべきか?
確認するのは数値と表現の2点です。文章の良し悪しより、この2つを優先してください。
確認の手順
- 数値の照合:家賃・面積・築年数・徒歩分数を資料と突き合わせる
- 表現の確認:使用してはいけない用語が含まれていないか
- 事実の確認:設備や周辺施設について、実在しないものが書かれていないか
- 最終判断:公開してよいかを人が決める
3番目は見落とされやすい項目です。AIは「駅前にスーパーがあります」といった記述を、確認せずに書くことがあります。実在しない施設への言及は、誤認を招く表示となるおそれがあります。
使用してはいけない表現の一覧は別記事でまとめています。宅地建物取引士の資格を持つ者が確認する体制にしてください。
今日の1アクション:直近のAI生成文に、確認していない数値がないか見返してください。
動画の台本はAIで作れるのか?
作れます。ただし白紙から生成させるより、伸びている動画の構成を参照させたほうが精度が上がります。
不動産会社が動画をやらない理由は、撮影が難しいからではなく、何をどの順で見せればいいか分からないためです。この課題は、実際に成果が出ている動画の構成を型として使うことで解決します。
台本づくりで指定すべき要素
- 尺:30〜45秒(内見動画の場合)
- 冒頭2秒の内容:家賃・間取り・駅徒歩
- 動線:玄関から一筆書き
- 推しポイント:1つに絞る
- 末尾:問い合わせの案内
この構成の根拠はリールの記事で解説しています。
弊社が提供する RoxDirector は、同業・近隣エリアで伸びている動画を検索し、その論理構成から内見動画の台本を自動生成できます。撮影の前に、何をどの順で見せるかが決まります。無料で試せます。
今日の1アクション:次に撮る動画の構成を、1行ずつ書き出してみてください。
よくある失敗と注意点
AIを使った投稿作成で繰り返し起きる失敗は、次の5つです。
- 数値まで生成させる:資料と異なる値が出力されます。人が入力します
- そのまま公開する:表示規約に反する表現が混入します
- 指示が曖昧:汎用的で使えない文章が返ります。読者・目的・制約を明示します
- 実在しない施設が書かれる:周辺環境の記述は必ず確認します
- すべての投稿を同じ指示で作る:文章が単調になり、読まれなくなります
AIは作業時間を減らす道具であって、判断を代替する道具ではありません。この線引きを運用ルールとして明文化してください。
まとめ:今日から始める1ステップ
不動産のSNS投稿でAIを使う際の要点は、次のとおりです。
- 任せてよいのは構成・言い回し・候補出しまで
- 家賃・面積・徒歩分数は必ず人が入力する
- 指示には読者・目的・制約の3点を明示する
- 制約に「最上級表現を使わない」を必ず含める
- 生成物は数値と表現の2点を確認してから公開する
- 動画台本は伸びている構成を参照させると精度が上がる
今日の1ステップ:AIへの指示テンプレートを作り、制約の項目を組み込んでください。毎回同じ指示を書く手間がなくなり、抜け漏れも減ります。
よくある質問
AIが作った投稿文をそのまま公開してよいですか?
公開前に必ず人が確認してください。特に家賃・面積・徒歩分数などの数値と、使用してはいけない表現が含まれていないかの2点です。不動産広告の責任は宅地建物取引業者にあります。
AIに物件情報を渡しても大丈夫ですか?
公開済みの広告情報であれば通常問題ありませんが、未公開の情報や個人情報を含むデータは、利用するサービスの規約とデータの取り扱いを確認してから判断してください。
AIはどんな指示を出すと精度が上がりますか?
読者・目的・制約の3点を明示してください。「賃貸を探す一人暮らし向けに」「DMを促す目的で」「300字以内、誇大表現は使わない」のように具体的に指定すると、修正の手間が減ります。
動画の台本もAIで作れますか?
作れます。ただし白紙から生成させるより、伸びている動画の構成を参照して作らせるほうが精度が上がります。何をどの順で見せるかは、実際に成果が出ている型から学ぶのが確実です。
不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(不動産公正取引協議会連合会)/宅地建物取引業法 第32条(誇大広告等の禁止)/不当景品類及び不当表示防止法
