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SNS運用ノウハウ

不動産会社のInstagram運用完全ガイド|開設から反響獲得までの全手順

Rox Message AutoPost 編集部 / 公開 2026-07-19 / 更新 2026-07-19

この記事の要点

賃貸・売買仲介の集客担当と店舗オーナー向けに、不動産会社のInstagram運用を開設から反響獲得まで一本の流れで解説します。アカウント設計、投稿比率、運用体制、導線、指標、法規制まで、判断に必要な基準をまとめました。

不動産会社がInstagramをやる意味はどこにあるのか?

Instagramは、直接の反響獲得よりも「問い合わせ先として指名される」ための接点として機能します。ポータルサイトが「物件を探す場所」であるのに対し、Instagramは「どの会社に相談するかを決める場所」だからです。

ポータルサイトでは、同じ物件が複数の仲介会社から掲載されます。このとき消費者が最終的に選ぶのは、掲載順や写真の枚数だけではありません。会社名で検索し、どんなスタッフがいて、どんなエリアに詳しいのかを確認したうえで問い合わせ先を決める行動が起きます。その確認先としてInstagramが見られます。

つまり不動産会社にとってのInstagramは、次の3つの役割を持ちます。

この前提を外すと、運用の目標設定を誤ります。「Instagramから直接何件反響が来たか」だけで評価すると、多くの店舗は数か月で撤退することになります。実際には、ポータル経由の問い合わせが増えたり、来店時の信頼形成が早くなったりという形で効果が出るためです。

今日の1アクション:自社の店舗名でInstagramを検索し、見込み客の目に何が映るかを確認してください。

アカウント設計で最初に決めるべきことは?

最初に決めるのは、フォロワー目標でも投稿頻度でもなく、エリアと物件タイプの絞り込みです。誰に向けたアカウントかが決まらないと、投稿内容も、プロフィール文も、成果指標も決まらないためです。

賃貸・売買を問わず、仲介業は商圏が限られます。全国のフォロワーが1万人いても、営業エリア外であれば成約にはつながりません。逆に、営業エリアに住む・住みたいと考えている500人にフォローされていれば、そのアカウントは機能します。

絞り込みの3軸

決めること

エリア

沿線・駅・区市町村のどの単位で名乗るか

「◯◯線沿線の賃貸専門」

物件タイプ

単身/ファミリー、賃貸/売買、価格帯

「ファミリー向け中古マンション」

顧客像

初めての一人暮らし、住み替え、投資など

「初めての一人暮らし向け」

「なんでも扱います」は、検索されたときに選ばれる理由になりません。取扱い自体を絞る必要はなく、発信の軸を絞るという意味です。

絞り込みが決まったら、それをプロフィール文の1行目とハイライトの構成に反映します。プロフィールとハイライトの具体的な作り方は、別記事で解説します。

今日の1アクション:上の3軸を、社内で1行ずつ書き出してください。

どんな投稿を、どの比率で出すか?

基本の比率は物件情報6:エリア情報3:人・会社1です。物件情報だけを流し続けるアカウントは広告として認識され、フォローされず、保存もされないためです。

3種類の投稿の役割

エリア情報が効くのは、それが「引っ越しを検討し始めた人」と「まだ検討していない人」の両方に届くためです。物件情報は前者にしか届きません。商圏内の見込み客と長く接点を持つには、後者に届く投稿が必要になります。

投稿の型・配合・1枚目の作り方といった具体的な設計手順は、「賃貸仲介のInstagram、反響が出る投稿設計」で詳しく扱っています。

今日の1アクション:直近20投稿を3分類し、比率を確認してください。物件情報が9割を超えていれば偏りすぎです。

写真と動画、どちらで見せるべきか?

写真投稿から始め、体制が整ってからリールを追加します。 リールは制作工数が写真の数倍かかるため、体制がないまま始めると更新が止まるためです。

使い分けの基準

写真投稿

リール(動画)

得意なこと

物件の詳細を伝える、既存フォロワーへの情報提供

新規リーチの獲得、間取りの空間把握

制作工数

小(撮影+文章)

大(撮影+編集+台本)

推奨頻度

週3〜4回

月2〜4本

向く内容

物件情報、エリア情報

内見動画、ルームツアー、エリア紹介

順序としては、まず写真投稿で週3〜4回のリズムを3か月続けられる状態を作ります。そのうえでリールを月2本から追加するのが、最も失速しにくい進め方です。

物件写真の撮影・加工の実務、内見動画の構成の作り方は、それぞれ別記事で解説します。

今日の1アクション:週に何回撮影の時間が取れるかを、実際のスケジュールに当てはめて確認してください。

投稿を続けるための運用体制はどう作るか?

継続できない原因は担当者の熱意ではなく、体制の設計です。誰が・いつ・何を投稿するかが決まっていないアカウントは、繁忙期に止まり、そのまま再開されません。

先に決める4項目

  1. 担当者と代替要員:1人に依存させない。最低2人で回す
  2. 撮影のタイミング:物件確認や案内の際に必ず撮る、というルールに組み込む
  3. 投稿頻度:週3〜4回。繁忙期でも維持できる本数に設定する
  4. ストック本数:常に2週間分の投稿素材を溜めておく

特に4つ目が重要です。投稿を作りながら投稿する運用は、業務が立て込んだ時点で破綻します。閑散期にまとめて撮影・作成し、繁忙期はストックを消化する形にすると、更新が止まりにくくなります。

体制づくりの具体的な決め方と、投稿作業そのものを省力化・自動化する方法は、それぞれ別記事で解説します。

今日の1アクション:現在のストック本数を数えてください。ゼロであれば、投稿頻度を落としてでもストックを作る期間を設けます。

問い合わせに繋げる導線はどこに置くか?

導線はプロフィールのリンク・ストーリーズ・DMの3か所に置きます。投稿本文にURLを書いてもリンクにならないため、投稿を見た人が次に進む先を別に用意する必要があるためです。

3つの導線の役割

不動産の場合、問い合わせフォームよりDMのほうがハードルが低く、実際の反響が集まりやすい傾向があります。ただしDMは対応が属人化しやすいため、返信の担当と初回返信のテンプレートを事前に決めておく必要があります。

DM・ストーリーズから来店予約までの導線設計は、別記事で詳しく扱います。

今日の1アクション:自社アカウントのプロフィールリンクが、今どこに繋がっているか確認してください。

成果はどの数字で見るか?

追うべき指標は保存数とDM数です。いいね数やフォロワー数は増減が目立つ一方で、成約との連動が弱いためです。

指標の優先順位

優先

指標

見る理由

1

DM数・問い合わせ数

成約に最も近い行動

2

保存数

後で見返す意思=検討中のサイン

3

プロフィールへのアクセス数

投稿から会社への関心に移った数

4

リーチ数

新規に届いた範囲。リール評価に使う

参考

いいね数・フォロワー数

推移の把握のみ。目標にしない

数値の確認は週次ではなく月次で十分です。週単位では投稿内容以外の要因で変動し、判断を誤ります。月次で保存数上位の投稿を3本抽出し、共通点を次月の投稿に反映する、という運用が現実的です。

効果測定の具体的な見方と改善の回し方は、別記事で解説します。

今日の1アクション:直近1か月で保存数が多かった投稿を3本書き出してください。

不動産のInstagramで法的にやってはいけないことは?

Instagramの投稿も、不動産広告として規制の対象になります。宅地建物取引業法、景品表示法、不動産の表示に関する公正競争規約が適用されるためです。媒体がSNSであることを理由に、規制が緩くなることはありません。

特に事故が起きやすい4点

自動投稿や予約投稿を使う場合、この4点目のリスクが上がります。成約後に投稿が自動で出続ける設定になっていないか、運用開始時に必ず確認してください。

また、広告であることを隠す表示は景品表示法の規制対象です。インフルエンサーへの依頼や、第三者を装った投稿には注意が必要です。

個別の表現がどこまで許されるかは事案により判断が分かれます。判断に迷う表現は、宅地建物取引士や所属する公正取引協議会に確認してください。

Instagram投稿における具体的なNG表現は、別記事で一覧化しています。

今日の1アクション:現在公開中の投稿から、成約済み物件が残っていないか確認してください。

よくある失敗と注意点

不動産会社のInstagram運用で繰り返し起きる失敗は、次の5つに集約されます。

  1. フォロワー数を目標にする:商圏外のフォロワーが増えても成約につながりません。目標は保存数とDM数に置きます
  2. 毎日投稿を目標にする:繁忙期に止まり、そのまま再開できなくなります。週3〜4回を維持するほうが結果的に投稿総数は多くなります
  3. 物件情報だけを流す:広告として認識され、フォローも保存もされません。エリア情報を3割入れます
  4. 担当者1人に任せる:退職・異動・繁忙で運用が止まります。最低2人体制にします
  5. 成果を1〜2か月で判断する:Instagramは指名や信頼形成に効くため、効果が数字に出るまで時間がかかります。最低6か月は継続して評価します

いずれも、始める前に決めておけば避けられる失敗です。運用を始めてから修正するより、開設時に基準を決めるほうがコストがかかりません。

まとめ:今日から始める1ステップ

不動産会社のInstagram運用は、投稿の巧拙よりも設計と体制で成果が分かれます。本記事で扱った判断基準は次のとおりです。

今日の1ステップ:エリアと物件タイプの絞り込みを1行で書き出し、社内で合意してください。ここが決まれば、以降の投稿内容と評価指標は自動的に決まります。

よくある質問

不動産会社のInstagram、フォロワーは何人を目指せばいいですか?
フォロワー数を目標にする必要はありません。商圏が限られる仲介業では、フォロワー1万人より、自社の営業エリアに住む見込み客500人のほうが成約に近いためです。追うべきは保存数と問い合わせ数です。
投稿は毎日したほうがいいですか?
毎日である必要はありません。週3〜4回を継続できる体制のほうが成果につながります。毎日投稿を目標にすると、繁忙期に止まり、そのまま再開できなくなるケースが多いためです。
成約済みの物件を投稿したままにしてもいいですか?
問題があります。取引できない物件を掲載し続けると、おとり広告に該当するおそれがあります。成約時点で投稿を削除するか、成約済みである旨を明記する運用ルールを先に決めてください。
「駅徒歩5分」はどう計算すればいいですか?
不動産の表示に関する公正競争規約では、道路距離80メートルにつき1分として算出し、1分未満の端数は切り上げます。直線距離で計算した分数を表示することはできません。
リールと写真投稿、どちらから始めるべきですか?
写真投稿から始めてください。リールは制作工数が大きく、体制が整う前に始めると更新が止まります。写真投稿で週3〜4回のリズムを作れてから、リールを月2〜4本追加する順序を推奨します。

タグ:インスタ運用 / 賃貸仲介 / 売買仲介 / 反響獲得 / SNS集客

出典・参考
不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(不動産公正取引協議会連合会)/宅地建物取引業法 第32条(誇大広告等の禁止)/不当景品類及び不当表示防止法/一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(令和5年内閣府告示第19号)